後輩への接し方

年を食った。体力的な話ではない。立場の話だ。

同じ会社に何年かいるため、後輩ができてしまう。後輩と一緒に別会社のプロジェクトへ参画させられて作業していて、言われてしまった。

「後輩さんとあやさんが接するのを見てると、いつも怒られてるようなので仲悪いのかなと思っていたんですが、そうでもないんですかね」

後輩が何と答えたかははっきり覚えてない。でも、そうでもないです程度の台詞だったと思う。わたしは似たコトをわたしと上司について言われたのを思い出していた。

それはわたしが新人のころで、初めて自分の会社から外へ出されたときのこと。だから他の会社の方々とはもちろんのこと、その上司と仕事をするのもきっちりスケジュールに名前が載って線表を引かれるのも設計書を書くのも、何もかも新しいこと。

無論それは今でも治っていない上どうでもいいことだが、ともかくもわたしは仕事のやり方もわかっていない、問題は起こす、生意気、その他いろいろな理由によっていつも上司に指導されていた。

それを見ていた他の会社のひとが、あるとき聞いてくれた。あやさん、今度の飲み会に来ませんか、あと上司と仲が悪いようですが上司を飲み会へ呼んでも大丈夫ですか、と。

わたしは驚いた。上司は確かに厳しいひとだとは思っていたけど、ほとんどの場合において怒られているとか叱られていると思ったことはなかったから。何も考えていなかったんだけど、きっと強いて言うなら指示されている程度の認識だった。

そんなことを言われるようにはなりたくないと思っていたはずだったけど、無駄なことだったらしい。

そういえば、その上司に「あやさんは自分と似てると思う。自分の方よりはまだ優しいけど」とも言われた覚えがある。