ラギッド・ガール

前作グラン・ヴァカンスを補完する数編と、数値海岸の背景を外の世界から描く数編、そして大断絶の背景とその瞬間のAIたちを描く1編からなる中短編集。

「奉仕するために生まれてきたAIが、奉仕対象であるゲストを失うことはアイデンティティを失うということだ」という観点がほとんど見当たらなくて違和感が残った。ここはそう読めるかもしれないという記述はあった、という程度である。この廃園の天使シリーズは長編3作と関連中短編で構成される予定らしいので、今後描かれるのだろうか。それともこんな下らない考え方は考慮され尽くしていて今更書く必要もないのだろうか。