ターン

ターン―Turn

ターン―Turn

版画家とイラストレーターの、偶然と運命の出会いにのせた遷ろう時とそこに在るモノ、彼女と彼の物語。

欲求不満な終わり方だった。映画のロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間を見終わったトキに「や、これはこれで終わってもいいんじゃない?」と抜かしたわたしとは思えないことに「これじゃ何も解いていないじゃないか!」と感じていた。

ミステリだと思って読んだわけではなかったはずだが、町を歩き回る彼女とサポートする彼をみて、いつの間にか期待してしまったのかもしれない。この状況になった原因を突き止めるとか、もう2度とこういう状況が発生しないよう行動するとか、そういうコトを。ホラーならただ逃げるだけでも気にならないが、そうでもないしな。

しかし、それはつまり変な期待を抱くほど引き込まれたということでもある。妙にラストが急ぎすぎている気もしたが、時と人3部作をとりあえず全て読んでみよう、そう思うくらいに面白かった。